お散歩が楽しくなるかも?!横浜の「都市デザイン」

6月2日は横浜開港記念日。今年は横浜開港祭が開催されるとのことで、見どころである「ビームスペクタクルinハーバー」も復活。そして18区それぞれのどこかで花火を打ち上げるシークレット花火も行われるようで楽しみですね。
今回の「楽しもう!ヨコソダテ♪」コーナーでは、横浜に住んでいても意外と知られていない!?50年(*)かけて作られた横浜の街並みについて、見どころを紹介します。                                                                                                                                      *今年は横浜の都市デザイン50周年です。都市デザインについて詳しくはコチラ

①みなとみらいの眺めはこうして作られた!
大さん橋から眺めてみるとよくわかりますが、横浜ランドマークタワーを起点に、海に向かって建物の高さが緩やかに下降しています。スカイラインといって、見た目に美しいだけでなく、どの建物からも海が眺められるようになっています。みなとみらい21の中央地区は、白系の高層ビル群、手前の新港地区は歴史を感じられる赤レンガ倉庫に合わせた茶系の建物と、色彩も調整されています。

②よく撮影で使われる日本大通り
歴史的建造物も多く残されている日本大通りには、細やかな工夫がたくさん施されています。震災後に火に強い樹木として植えられた銀杏並木に合わせて、歩道の石や車道のアスファルト舗装の色が決められています。また人々が腰かけて休憩しているのはベンチのようであり、実は植栽を守るための防護柵です。日本の道路では珍しいオープンカフェができるような仕組みをつくっていることも特徴です。日本大通りを歩いていると、ふと絵タイルが埋め込まれているのが目につきました。JR石川町駅、関内駅、桜木町駅からそれぞれスタートして、山下公園まで続いています。39種類もの絵が使われているそう。歩きながら探してみるのも楽しいですね。

          

③象の鼻パークにも歴史の面影が
開港の地である象の鼻地区にある象の鼻パークは、横浜開港150周年を記念して、市民の憩いの場として整備されました。緩やかな斜面になっている芝生の広場にあるベンチには、海中から出土したかつての象の鼻防波堤の石が使われていたり、象徴的なスクリーン状の照明装置には横浜港のために力を尽くした先人たちが紹介されていたり、歴史を感じられる工夫がされています。

④新しくなった横浜市庁舎
みなとみらいと関内の間にある北仲通地区に2020年に開庁した8代目の横浜市庁舎にはもう行きましたか?市役所には授乳室などもあって、休憩するのにおすすめです。建設前には事業者や市民、関わる人たちの間でどのような市庁舎にするのが望ましいのかを共有するための「新市庁舎デザインコンセプトブック」がつくられ、レストランなどの商業施設やアトリウム、市民活動支援センター、水辺の広場など、市民に開かれ、市民活動を支える場になるように建設されました。

⑤デザインされた街並みはみなとみらい地区だけではない!
金沢区の金沢八景駅や金沢区総合庁舎周辺の景観、港北ニュータウンの計画的なまちづくりなど、「都市デザイン」がなされているのは、横浜駅周辺やみなとみらいなど横浜の都心部だけではありません。
例えば、港南区にある上大岡駅の再開発にパブリックアートが用いられているのも、デザイン参画の一つ。区の魅力づくりの取り組みが行われ、保土ケ谷区や南区、鶴見区など横浜市内の各地で、水辺のプロムナード、駅前広場や公園が整備されました。

自分自身の住んでいる地域にも「都市デザイン」の手法が取り入れられていると思うと、より身近に感じます。まちを歩きながら、この風景にはどんな思いが込められているのだろう?と自分の暮らしているまちの魅力を想像してみるのもおもしろいかもしれません。

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都市デザインの歴史

戦後の高度経済成長期、人口の増加などにより横浜は深刻な都市問題を抱えていました。交通インフラの整備や環境問題の改善の必要に迫られた当時の市長が「六大事業」を発表します。その中には、今の生活にはなくてはならない高速鉄道(地下鉄)や高速道路網の建設事業、横浜のシンボルにもなっているベイブリッジの建設も。

1971年には、横浜らしい個性的なまちづくりをしていくため、全国に先駆けて市役所のなかに「都市デザイン担当」が誕生します。それからの50年、歩行者を大事にした都市空間の形成や、水・緑や歴史的建造物等の地域の資源を大切にした魅力づくり、横浜らしい魅力的な景観形成が進められてきました。

現在も、人と人とのコミュニケーション、歴史的・文化的資産、水辺や地形などの自然を大切にするという7つからなる目標を掲げ「都市デザイン」は進行中です。横浜の「都市デザイン」は、横浜市の「都市デザイン室」や各部署、それぞれの分野の専門家のみならず、民間企業や市民、NPO法人など、さまざまな人たちの力で進められてきました。横浜の風景のそこかしこに込められた思いを知ることで、いつものまちが少し違って見えるかもしれません。

これから先の未来も変化を続けていく横浜のまち。子どもたちが成長する頃には、どんな姿になっているのでしょうか。楽しみです。

スタッフH

いかがでしたか?『大さん橋から眺めると、横浜ランドマークタワーを起点に、海に向かって建物の高さが緩やかに下降している!!』、『震災後に火に強い樹木として植えられた銀杏の木』など、改めて言われると「都市デザイン」にこめられたトリビアもたくさんありますね!お子さんとお散歩をしながら記事内にあったスポットを探してみませんか?

ベイキッズマガジン31号34号でも横浜の「都市デザイン」を取り上げています。

横浜市のウェブサイトはこちらから

参考図書 『都市デザイン横浜|個性と魅力あるまちをつくる』(発行 BankART1929)

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