ゴールデンウィークも終わり、また日常が戻ってきましたね。
今回の「楽しもう!ヨコソダテ♪」では、ベイ★キッズ世代のみなさんがもしかしたらその対象になるかもしれない育児と介護の同時進行「ダブルケア」を取り上げます。
ダブルケアとは、育児と介護が同時に行われていることを指す言葉です。また育児と介護に限らず、介護と孫支援、育児と配偶者や自分自身のケアなど、複数のケアを同時にする必要があること、また最近ニュースで良く耳にするヤングケアラーも広い意味でダブルケアに含まれます。体力的にも精神的にも負担の多いダブルケアですが、どのように乗り越えたらよいのでしょうか。
ダブルケア当事者をサポートする一般社団法人ダブルケアサポートの理事で横浜市港南区で「てとてと陽だまり」を運営する植木美子さんにお話しを伺ってきました。その様子を対談形式でお送りします。
◆ダブルケアサポートを立ち上げることになったきっかけを教えてください。
「てとてと」で、ダブルケアカフェ(ダブルケア当事者や支援者が集まるダブルケア共感の場)を主宰しながら、困っている人たちを助けたいと思いたち、一般社団法人ダブルケアサポートを東さんらと共に起ち上げました。
◆改めてダブルケアとはどういった状態なのでしょうか?
わたし自身は、息子が4歳のときに、ダブルケアを経験しました。親の介護を巡って、夫と初めて腹を割って話しをしました。ダブルケアをいっしょに乗り越えたことで、家族の絆が深まったと感じています。ダブルケアには大変な面もありますが、そればかりではないと実感することができました。
「ハッピーケアノート」という名前には、こうした(辛いことばかりではなく、プラスになるハッピーになり)得るものもあるという思いが込められています。
◆もし、自分が困っていると感じたときは、どうすればよいでしょうか?
こういった窓口に行くのも困難という方に伝えたいのは、「溜めこまない」ことです。自分一人でなんとかしようとせず、家族や親戚、友人、行政、民間事業、近所の人など、頼ってみましょう。
最近では、オンラインカフェ(Line talkやZoomなどパソコンやスマートフォンを活用した話し合いの場)があったり、SNSで呟いてみたり、インターネットを活用する方法もあります。地域子育て支援拠点の子育てパートナーさんやスタッフ、認知症カフェのボランティアさん、保育園や幼稚園の先生など、とにかく話せる人に話してほしいです。
例えば、てとてとでもダブルケアカフェを開催していますが、その時間内でなくても、経験者と話したい当事者の方がふらりと立ち寄り、話しをすることもあります。わざわざ遠くからいらっしゃる方もいますが、「てとてと」のある地域の方々が繋がりあう場所になってほしいと思っています。
◆周りがダブルケアに気がつくケースもあるのでしょうか?
察してくれる人が側にいることが、助けになることもあります。普段からコミュニケーションをとり、関係性を築いておくことが大切です。
◆最後にメッセージをお願いします。
取材:スタッフH
インタビューをしたスタッフが更に次のように話してくれました。
「今、2歳児を子育て中ですが、実は、ダブルケアを実感する出来事がありました。妊娠中に夫が突然、脳卒中で倒れたのです。幸いにも、病院に到着したのが早く、今では社会復帰するほどに回復しましたが、当時は、病院へのお見舞いやリハビリ中のサポートなど、不安と緊張でいっぱいになりながら、過ごしました。そんな矢先、70代の義理の両親が体調を崩し、産後も、赤ちゃんのお世話をしながら、義実家の家事を手伝うこともありました。ダブルケアの渦中にいるときは、なかなか「助けて」とは言いづらいかもしれませんが、周りの人と助け合いながら、乗り越えてほしいと思います。」
この記事を読んで当スタッフのようにもしかしたらご自身がダブルケアの当事者かもしれない、もしくはお友達や知り合いがそうかもしれないと思われた方もいらっしゃるかもしれません。どうぞその時は無理をせず、周囲に助けを求めてくださいね。一般社団法人ダブルケアサポートに問い合わせをしたり、植木さんの話にもありました地域包括支援センター(横浜市では地域ケアプラザ)で福祉・保健の専門員による相談を受けたり、横浜市全区にある地域子育て支援拠点にいる「横浜子育てパートナー」に相談してみては。必要な情報や支援機関につないでくれます。
余談になりますが、何度かインタビューの中で登場する一般社団法人ダブルケアサポートの代表 東恵子さんは、何を隠そう、こちらのベイ★キッズでもおなじみの「ケイコ」さんなのですよ( *´艸`)