横浜の子育て支援の場の一つで、マンションの一室や商店街の一角などで、NPO法人などの民間団体が運営している「親と子のつどいの広場」。横浜市の補助事業です。親同士の交流、情報交換、子育ての相談などを行っていて、毎年少しずつ増えています。
今回は昨年の12月にオープンした3つの広場を、よこはま子育て情報スポットメンバーが先月訪問してきたので、ご紹介します。
まずは、磯子区のKidsスペース マカナ。
JR洋光台駅から徒歩13分ほどのところにあります。
施設長の金子さんにお話を伺いました。
「始まりは、幼稚園のママ友のつながりで、下の子の卒園をきっかけに、皆で一緒に親子の居場所を作りたい…と始めました。その時にハワイ語で「贈り物」という意味の『マカナ』と名付けました。」とのこと。
いろいろな準備を経て昨年12月にオープンしたものの、新型コロナの影響を受け、3月から3ヶ月ストップすることに。先が見えない不安もありましたが、洋光台は子育て支援に厚い街なので、横のつながりで助け合い、乗り越えることができたそうです。
マカナのおすすめポイントは製作。
毎月、季節に合わせた手形足形アートや製作を行っています。
子どもやお母さんが「作ってみたい!」と心惹かれるよう、ちょっと手の込んだデザインを毎回考えているとのこと。
製作は30分ほどの時間で親子で無理なく作れるよう、細かいパーツなどはすべて事前に用意してくれています。
手形足形アートはカードサイズを統一し、毎月ファイルに入れて記録としてずっと大切にできるよう、配慮して準備しているそうです。
また季節に合わせて手作りのフォトスペースも用意。
10月のハロウィンに続き、11月後半は年賀状に使えるようなフォトスペースを設置予定です。
その他にもお誕生月には記念写真を撮影し、可愛らしいフレームに入れてプレゼントしてくれたり…と心のこもった手作りがいたるところにあり、とてもアットホームでスタッフさんの愛が感じられる広場だなと感じました。
「広場を開設して、もうすぐ1年。今年はいろいろありましたが、スタッフもみんな小学生のママさんなので、現役ママ目線、同じ世代の子どもを持つママとして、近い目線で親子に寄り添っていきたい」とのことでした。
(取材:Y.T)
続いて、港南区のひろば「おひさま」です。
上大岡駅から徒歩5分、駅の裏手の坂道を上った先のマンションの一室にあります。
運営しているNPO法人Yokohamaこども応援団は、2003年から戸塚区のフォーラム(男女共同参画センター横浜)で一時預かりや出張保育をしていた団体から始まりました。理事の渡部さんは、「フォーラムでの経験を活かし、地域に根差した形でもっと子育て支援を深めていきたいと思い、横浜市補助事業である親と子のつどいの広場に応募しました」と話してくれました。
”おひさま”という名前は、訪れる親子にとって、ぽかぽかと温かく、居心地の良い場所になるようにという思いが込められているそう。一時預かりをしていた頃から、クリスマスや夏祭りなど年中行事を通して親子で遊ぶ機会をもってきた経験豊かなスタッフばかりで、まさにあったかい気持ちで安心して過ごせそうな雰囲気です。読み聞かせやパネルシアターもやっているそうです。
また、「おひさま」には手作りのおもちゃがたくさんあります。いっしょに連れて行った1歳7ヶ月の娘は、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機などがずらりと並んだ段ボール製のおままごとセットが気に入ったようで、スタッフさんと夢中になって遊んでいました。
他にも、廃材を利用した音のでるおもちゃ、穴から出し入れができるおもちゃ、牛乳パックの電車など、手作りのぬくもりを感じさせるものを、お子さんの年齢に合わせて準備しているそうです。
また、土曜日もオープンしているので、パパや働いている人でも行きやすいのもオススメポイント。
来ているママにお話を聞いてみました。「近所なので開所したことは知っていたけど、ちょっと初めは入りづらいなと思っていました。他の子育てサロンで知り合ったお母さんにすすめられて来てみたら、あたたかいアットホームな雰囲気だったので、今では毎日来ています♪」とのことでした。
渡部さんによると、オープン2か月で新型コロナの影響で閉鎖になってしまい、周知に苦労したそうです。「知らないマンションの部屋の扉を開けるというのは勇気がいることかもしれませんが、一度来ていただくとリピーターになってくださる方も多いので、ぜひ気軽に遊びにきてください。皆さんの『もうひとつのおうち』になることを目指して、これからも活動していきます。」と抱負を語ってくださいました。
(取材:M.H)
最後は、都筑区のハッピーひろばです。
横浜市営地下鉄「センター南」駅近くのマンションの2階にあり、訪ねると、明るいお部屋の中で3組の親子がリラックスして過ごしていました。
ハッピーひろばは、もともと「ハッピーラボ」という子育て支援団体と「小松菜プロジェクト」という横浜都筑野菜応援プロジェクトの2つの地域活動団体が合体してできたNPO法人「H&K」が運営しています。多世代での親子支援というところがユニークですよね。理事長の石田さん(写真左から2番目)もお昼に来られて談笑されていました。
施設責任者の中尾さん(写真左端)のお話です。
「コロナ禍でオープンして間もなく広場が閉鎖になったときに、オンラインでおしゃべりしてママたちの気持ちがホッとできればという想いから、『オンラインおしゃべり会やオンライン広場』などをやって、手ごたえを感じました。広場が再開してからは実際の広場に来てくださる方が増え、楽しんでくれています。私たちスタッフもまだまだ子育て中で、幼稚園児がいるスタッフもいるので、利用者さんと近い目線でお話ししたり、悩みを共有し、スタッフと利用者の温かい関係を心掛けています。」とのこと。
利用されているママは、「隣のマンションに住んでいるので毎日のように来ています。スタッフや他のママと話すのが楽しいし、子どもも『はっぴい いく!』と言ってすぐ行きたがります」と話してくれました。
また、裁縫や工作が得意なスタッフ、ITに強いスタッフなど、それぞれが自分の得意なことを活かしているのも印象的でした。広場の予約方法をオンライン化し、LINEやインスタグラム、FacebookなどSNS での発信も積極的に活用しているとのことです。
中尾さんは、「これからは、プレママ・パパに対する事業や復職した利用者さんの集まり、様々なスタッフ勉強会研修会なども実施していきたいです」と目を輝かせていました。
(取材 M.N)
いかがでしたか?
「親と子のつどいの広場」はそれぞれ個性を活かした運営をしていますが、どこもとても居心地がよいので、ぜひ近くの広場を探してみてください♪
市内各区ごとの一覧はこちらから。
(施設ごとに利用料や開催日に違いがあるので、事前にご確認ください。)